研究レポート

DATE:2016.10.24研究レポート

在外研究コラム『ヨーロッパにおけるユース育成』

総合教育研究部 岩本 哲也 講師

2015年度、ヨーロッパのプロサッカークラブであるNAC Breda U-17(オランダ)、Norwich City Football Club U-18(イングランド)、A.C. CesenaU-19(イタリア)の3クラブに、若年世代の選手育成に関する調査?研究を行う機会を得た。

NAC Bredaは、4-3-3のフォーメーションをベースとしたテクニカルで攻撃的なスタイル。Norwich City Football Clubでは、イングランド特有の縦に速く、ボールをめぐる身体のぶつかり合いを厭わない闘争心溢れたスタイル。A.C. Cesenaは攻撃と守備の両面のバランスを大切にしたスタイルと、各国、各チームで独自のスタイルがあり、トレーニング内容はそれに合わせたオーガナイズがされており、より実践をイメージしたものだった。しかし、全てのチームに標準装備されていたのは、「メンタルの強さ」である。ゲームでは勿論だが、トレーニングから勝敗に強くこだわり、練習だからといって一切妥協することはない。

メンタル的な部分は、なかなか具体的に数値化されるものではないが、だからこそ「勝つ」という事への日々のトレーニングでの「行動」の積み重ねが大切だ。技術や戦術、フィジカル的な部分等も重要なファクターではあるが、サッカーとは人間対人間の戦いであり、時として「メンタリティー」が技術や戦術を超えた「強さ」を生む一つの要因になると感じた。

このような貴重な経験と研究ができたことに感謝し、今後の研究活動等に生かしていきたい。

※ 本コラムは『学園通信324号』(2016年10月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。

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