活躍する卒業生

DATE:2016.11.30活躍する卒業生

サッカーを通じて、長崎を元気に、豊かにしたい

V?ファーレン長崎 代表取締役専務 岩本 文昭 さん

株式会社ハッピーアロー代表 森 順子 さん
V?ファーレン長崎 代表取締役専務 岩本 文昭 さん
1968年長崎県生まれ。1991年文学部社会学科卒業。小3でサッカーを始め、強豪国見高校に進学。3年時にはユース日本代表に選ばれる。大学卒業後は長崎銀行に入行し地元チームでプレイを続ける。新生有明SCのコーチとして九州リーグ昇格に貢献。V?ファーレン長崎に名称変更の際に監督に就任。現在Jリーグ昇格を果たした同チームの代表取締役専務。

選手から監督、そしてクラブ経営陣に。様々な立場でのご経験を通じて、岩本さんが大切にしてきたこと、在学生へ伝えたい思いを熱く語っていただきました。

大学時代に学んだことや印象的な思い出を聞かせてください

国見高校時代、小嶺忠敏監督のもとでインターハイ優勝、全国高校選手権準優勝の成績を収めたのですが、私のプレイを見て駒大サッカー部の秋田浩一コーチ(当時、現監督?総合教育研究部教授)が誘ってくださったのが進学のきっかけです。大学ではもちろんサッカー漬けの日々。勉強をおろそかにしない約束でしたが、試合が重なると授業に出席できず、ゼミの仲間にずいぶん助けられました。リーグ1部昇格をかけた、大学最後の入れ替え戦に勝利した試合には、指導教授だった安藤喜久雄先生(平成14年3月に退職。本学名誉教授)と仲間が全員応援に来てくれて、皆で抱き合い、泣きましたね。

勝つことは喜びですが、それ以上に仲間や恩師、家族の支えの大切さを学びました。ともに汗を流し、闘ってきた仲間は一生の友であり、人生の宝です。技術や力の差じゃない、最後は気持ちと結束の強いチームが勝つ。自分自身と仲間を最後まで信じることが、成功への道なのです。厳しい練習の中で養った強い精神力と絆、駒大イズムが自分の原点です。今でも初心に立ち返りたいときは、大学へ足を運びます。この4年間があったおかげで、今日の自分があると思っています。

2014年当時、チームに所属していた駒大卒業生。左から岩本さん、深井選手、金久保選手、碓井選手。

選手から指導者に転身した経緯とは?

卒業後も強豪チームで選手を続けたいという希望はありました。でも身体の限界や恩師の助言もあり、色々考えた末、帰郷することにしました。地元の長崎銀行で働き、社会人チームでプレイを続けました。就職後ほどなくしてJリーグ開幕。かつての仲間たちの活躍がメディアで注目されるのを横目に、もやもやする時期もありました。

さらに10年ほど経ち、当時有明SCというチームで選手兼コーチをしていた頃に、長崎で初めてJリーグを目指すという目標ができました。まずは県リーグ突破。2005年九州リーグ昇格を決めた年、名称を改めV?ファーレン長崎となったチームの初代監督に。もう迷いはありませんでした。選手として果たせなかった夢を、指導者として目指すことができる。そんな喜びと決意を新たにした瞬間です。今は、サッカーで長崎を元気に、豊かにし、私を育ててくれた故郷に恩返しすることが使命だと思っています。

V?ファーレン長崎のクラブマスコット ヴィヴィくん

監督時代のモットーは

恩師の影響が大きいです。駒大の秋田先生は常に練習場に一番乗りでグラウンドをならしていました。それを見る部員たちも競うように早く集合し、進んで整備をするようになったんです。「口で命令するのは簡単だが、人を動かすには自分が率先して行動せよ」、そう身をもって示したのですね。

私が監督に就任して、秋田先生から「多方面から見て選手のストロングポイントを伸ばす」ことを教わりました。それから選手の長所をどんどん生かす指導に変えると、チームの雰囲気が変わった。「勝敗より、岩本さんのために頑張ろう」と結束が強まり、結果、優勝を手にすることができました。もう涙が止まりませんでしたね。

学生にメッセージをお願いします

「不可能に挑戦する勇気を持て」。高校でも大学でもそう言われ続けてきました。限界は、自分が決めてしまうこと。チャレンジしていくプロセスの中で、人間としてのたくましさが増し、人への気遣いができるようになるものです。

学生の皆さんには、自らの人間性と明確な目標を言えるようになってほしいですね。目標に向かい、どう進んでいくのか、失敗や挫折もあるけど、大事なのは自分なりの道を決めて挑戦し続けること。これはサッカーチームも学校も会社も同じです。チームの目標を監督が掲げ、それを選手が各自の目標に落としこんでいく。そこをしっかり持っている人 が、メンバーに残るんです。

V?ファーレン長崎 ホームぺージ

※ 本インタビューは『学園通信314号』(2014年10月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。
取材協力:V?ファーレン長崎

関連記事 - 「活躍する卒業生」カテゴリーの新着記事

+MORE POSTS