仏教行事のおはなし

本学教員が、身近な仏教行事をわかりやすく解説します。

DATE:2021.04.07仏教行事のおはなし

釈尊降誕会

仏教学部 准教授 加納 和雄

毎年4月8日に行われる釈尊降誕会ではお釈迦様の御生誕を祝います。お釈迦様の誕生と臨終は、なぜか「脇」がキーワードとなっており、母摩耶夫人の右脇から誕生し、右脇を下にして臨終したと伝えられます。

同じく脇から誕生した神話をもつのがインドラ神です。その神話はインド最古の書『リグヴェーダ』(紀元前12世紀頃)に登場し、脇を意味する梵語「パールシュヴァ」は、ペルシャ族の自称であるパールシャを想起させるとインド学者 後藤 敏文 氏は指摘します。

つまりインドラが「脇から生まれた」という表現は、この神がペルシャに起源することを示唆し、太古のペルシャ地方で信仰されていたインドラ神が後にアーリア人によってインドの地に導入されたことを、いくつかの証拠と共に論じます。お釈迦様の右脇誕生伝説の謎を繙くには、このようなインド神話がヒントになるかもしれません。

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※ 本コラムは『学園通信347号』(2021年4月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。

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